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| u Column #003 ブロードバンドネットワークのこれだけの勝算(2001.6.10) |
| 前回BSデジタル放送の弱点を書いたので、今回はブロードバンドネットワークの強さを書くことにする。 何度も書くが私はブロードバンドネットワークは放送メディアになり代わる次世代型メディアであると考えている。有線だろうが無線だろうがそんなことは関係ない。インターネットをベースとしたネットワークが既存のメディアを打ち崩し、新しい時代の新しいメディアを作るのである。ブロードバンドと呼ばれる広帯域通信では映像も問題なく送信可能となるため、BSデジタル放送やCSデジタル放送が双方向型を売りにするのであれば、まさにブロードバンドネットワークはその対抗馬となるのである。 私がブロードバンドネットワークとして定義するのは、有線であればFTTH(光ファイバー)・CATV、無線であればIMT-2000・広帯域無線通信・衛星通信などである。これらはすでにサービス提供しているが、爆発的な普及とまでは至っていない。 ブロードバンドネットワークの強さは、何と言っても既存の電話網と融合できる点である。例えば、消費者がインターネット放送を広帯域の回線でストレスなく楽しんでいたとする。このとき消費者は通信料金をこれまでインターネットに対して支払っていたのと何ら変わらない状況で使用することとなる。 しかも常時つなぎ放題のため、双方向型サービスも気兼ねなく利用可能だ。BSデジタル放送のように、放送はくだりの回線、データはのぼりの回線というようにネットワークが別ではないのである。しかもPCをベースとしているので、わけのわからないキーボード型のリモコン等は使用する必要がなくなる。これまでのインターネットの利用方法をベースとするのがなんと言っても最大の強みとなるはずである。 現在あるストリーム再生用ソフトの機能は飛躍的に向上してきているため、画像の表示サイズや再生時の粗さ等も解消されてきている。 次に、帯域幅の面での問題である。将来的にはブロードバンドネットワークを活用して、現在のような画像や音声のみならず、3D画像やゲームソフト等の配信が可能となるはずである。これらを融合させた新しい放送メディアとしてのサービスが出てきてもおかしくはない。ところがBSデジタル放送では、ひとつの衛星で配信できる帯域幅には限界がある。しかも一度衛星を打ち上げてしまうと、それを改良するわけにはいかない。しかも大容量の配信は下り方向のみのため、上りでの大容量データのやり取りは出来ない。データ放送というようなものが叫ばれてきているが、データ放送の帯域幅は非常に限られているため、テレビで表示出来ることぐらいしか売りにならないだろう。 現実問題として帯域は限られた資源であるため、その有効活用は米国では非常に大きな問題点となっているのである。その問題点とは、限られた帯域幅を優先的に放送事業者に対して割り当ててしまったため、今後成長が予想されるモバイル端末への大容量配信のための帯域幅が足りないという事態が起きているということである。米国では放送メディアは有線の世界へと統一し、モバイル系の端末への大容量配信を可能とするために帯域を作る必要があるという意見さえ出ているという(インターネット総合研究所のセミナー資料より)。米国はあきらかにモバイルの世界では遅れをとっているというあせりもあるだろうが、帯域が限られた資源であることのひとつの例であろう。 このような状況の中で、インターネットの広帯域化がもたらすサービスの多様化とIPv6等による家電のネットワーク化等により、インターネットは第二世代へと突入するはずである。おそらく情報発信というものの考え方そのものが根本から覆されるはずだ。一昔前、インターネットがまだ立ち上がりの時期に一部のジャーナリストが個人でインターネット放送局を開局したのを何かの記事で見たことがあった。近い将来、誰もが気軽に情報発信をしていける時代は必ず来るだろうと私は考えている。そうなったときにはメディアのあり方も根本から変わってくるはずなのである。ブロードバンドネットワークはその最初のステップとしてもうすぐそこまでやってきている。 |