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| u Column #005 インターネット広告の現状と課題 2001年版(2001.10.25) |
| インターネット広告という新しい手法が出てきて、数年が経過した。クリック保証型広告からはじまり
、インプレッション保証型、期間保証型等、様々な広告モデルが生まれ、実践されてきた。だが、 インターネット広告の限界も指摘されるようになり、先行きに不透明感が広がっている。そこで少し早い
が2001年のインターネット広告の市場を考えてみようと思う。 ■2001年のインターネット広告市場 まず、インターネット人口だが、国内に限った数字で言えば、4000万人にまで増加した (インターネット白書)。この成長は非常に著しい。日本人の2人に1人がインターネット を使うようになるまで、もう少しだろう。もちろんモバイル等の分野も含めた数字ではあるだろうが、 それでも4,5年前の状況を考えれば、メディアとしても立派に成り立っている数字だ。 年齢別の利用率でみた場合には、10代からのアクセスが増加傾向にある。これがモバイルの効果 なのかもしれないが、確実にインターネットメディアは低年齢化しつつあるようだ。また、家庭から のインターネットアクセス状況では、月平均1030ページが閲覧されており、これは12のサイトを 隅から隅まで見ているのに相当するという結果となっている。(もちろんページビューは延べ数で あり、実際にすべて違うページにアクセスしているということではないだろうが)また、時間別/ 曜日別のインターネットアクセス状況を見ても、土日を入れて常に平均的なアクセスが行われている。 これは、常時接続環境の増加に伴った変化だとみられるが、以前のように夜中の料金が安い時間帯 のアクセスの集中といった現象はあまり見られなくなったようだ。 このような中での、インターネット広告市場の現状であるが、2000年には約580億円だった市場規模 は、2001年の予測では約900億円と、対前年比244%増という大幅な増加予測が立っている。これは、 景気動向や、インターネット広告の効果を疑問視する声とは裏腹に、かなり市場としては成長の過程 にあることを物語っているものと言える。 ■広告媒体としてのネット広告の価値 さて、それでは、クライアントの媒体選択の状況という観点ではどうだろうか? サイバーコミュニケーションズ社のセミナーに出席したときの話では、バナー広告が依然として最も多いということであるが、メール マガジン等への広告出稿も増加してきているという話だった。そういえば、サイバーエージェント は、メールマガジンサイトの運営に力を入れているし、クリック保証型の広告モデルからは撤退を 表明している。オプトインメール等のメールメディアに着目した広告が増加しているという兆し だろう。 ここまでをみると、インターネット広告は、2001年になってもまだまだ成長過程にあるかのように 見えるが、果たして実際のところはどうなのだろうか? 同じく、サイバーコミュニケーションズ社の話では、「失敗を繰り返したクライアントが成功して いる」とのことだ。すなわち「一度や二度のインターネット広告の展開で、 成功や失敗を論じるべきではない」とのことのようである。オプトインメールへの広告等はその最たる 例のようだ。例えば、自社製品をインターネット上でプロモーションする場合に、どのターゲット 層にアプローチしていくかということに関しては、おそらくどのマーケティング担当者でも考える だろうが、どのメールマガジンを使うと最適かということは、結果を見てみないとわからないという ことも多いということである。一般にオプトインメールに対するプロモーションでは、通常のDM等 に比べて高い効果が期待できると言われているが、それを鵜呑みにするのではなく、どの類のメール マガジンであれば効果がより高いかを検証していくことが重要だということだ。あらかじめ、 配信対象者の属性を提示しているメールマガジンの中でも、特に効果的な媒体を探し出すには、 検証と実践を繰り返し、自社の「勝利の方程式」を編み出す必要があるのである。 ■ネット広告とマス媒体との比較 インターネット広告が一般のマス媒体と決定的に異なっている点を挙げてみると、下記のようになる。 @ターゲッティングがマス媒体と比較して容易であること。 A広告の効果測定が可能であること。 B対象者とOne to Oneのコミュニケーションが可能であること。 上記3点がマス媒体と異なる点として挙げることが出来る。特に最近CRM等との関係で注目度が高い のが、BのOne to Oneのコミュニケーションが取れるという点だろう。最近流行った「パーミッション マーケティング」の概念も、この要素を取り入れたものだ。 この中で、特にインターネット広告のメリットとして挙げる事が出来るのが、 @Webサイトのブランドビルディングの際の補完的な役割 Aアクション Bレスポンス の3要素だ。ここで重要なのが、これまで言われてきたような「クリック率」に偏るべきではないということである。これまで インターネット広告の場合には、いかに自社サイトに誘導していくかが最重要視されてきた。 しかしながら、単純なクリック数だけを追っていっても、それがサイト上での商品の購買や、 認知度の向上等の目的に結びつかない事例が増えてきたというのである。 これからのインターネット広告では、マス媒体で展開されているプロモーション手法と同じく、 クリエイティブなバナー広告を準備し、クリックされなくてもブランドの告知を行えるように 周到な準備を施し、仮にクリックされた場合には、確実な消費者のアクションを呼び起こすための サイトを準備し、必ず消費者からの何らかのレスポンスを獲得するといった統合的なプロモーション を展開する必要があるのである。 単純に考えても、例えば数百万を支払ってYahooのトップページのバナー広告スペースを確保し、 10万円程度の制作費のバナー広告を製作するというような状況は、異常なのである。 そのスペースの価値にあったクリエイティブなバナーを準備しなければ、それは意味の無い ものとなってしまうのである。 ■ネット広告の種類・手法 バナー広告の種類についても、多様化してきている。バナ-広告、テキスト広告、スポンサー広告 、すきま広告、ポップアップ広告、モバイル広告、メール広告(メールマガジン、オプトイン)等、 Webサイトのデッドスペースを有効活用し、かつ従来のバナーのサイズ面での制約を打つ破るものが 増えてきている。次に 成功するネット広告の要素をまとめると下記のようになる。 @明確なターゲッティング(地域別・男女別・趣向別等) Aメディアミックス(Web・紙媒体・マス媒体等) Bクリエイティブ Cコンテキスト(文脈/関連付け) の4つを押さえることだ。これらを統合的・戦略的にまとめあげ、プロモーションとして展開する ことが求められる。作りこまれたコンテキストであれば、おそらくある一定の効果を担保できる プロモーションとして完成させることが出来るだろう。 また、モバイル広告は今後伸びていくことが予想される。モバイルメディアを活用する場合には、 まず、使用している層として20代から40代という明確なターゲット層を特定することが可能である という特徴がある。また、最近良くみられる手法として、イベントスペース等での会場内での モバイルインターネットと連動させたプロモーションの展開がある。これは、渋谷ハチ公前の TSUTAYAなどでも実施されている手法で、駅前の大画面とモバイルメディアを連動させて、 参加型のプロモーションを展開していく手法である。また、PC端末等を持ち歩けない外出時に、 プロモーションを仕掛けられる唯一のメディアとして今後様々な手法が生まれて来る可能性 がある。ドコモのFOMA等の第3世代携帯電話を使えば、動画配信等も可能になる為、より表現力の あるプロモーションの展開も検討されてくることであろう。 更に、ブロードバンドとの連動も、今後のインターネット広告を占う重要な要素である。動画広告等の リッチコンテンツを活用した表現力・訴求力の高い広告が増えることが予想されるため、 サイト上にどのように埋め込み、どのように消費者に見せていくかということを検討するための 実験などが最近行われるようになってきた。 ■まとめ これまで述べてきたように、インターネット広告は2001年に入り、本格的な広告媒体としての価値を問われつつある時代を迎えてきたことがわかる。ネット広告も従来からの広告媒体も、本質の部分では同じ要素を重視していく必要がある。ブロードバンドの時代を迎え、よりクリエイティブな手法やリアルとバーチャルの融合が求められる場面が増えてくることであろう。今後のインターネット広告にも期待大だ。 |